
自己紹介
玉世赤咲だ。
空手をやっている。
黒帯だ。
喧嘩がしたいわけじゃない。
ただ、守れる男でいたかった。
父さんの期待。
母さんの優しさ。
多那葉の笑顔。
感次郎のまっすぐな目。
俺は、それを守れる兄でいたかった。
だから、あの男の話を聞いてしまった。
家族を守れる。
もっと強くなれる。
選ばれた人間になれる。
そう言われたとき、
俺は弱かったんだと思う。
力が欲しかった。
正しさが欲しかった。
誰かに、お前は間違っていないと言ってほしかった。
でもな。
本当に強い人間は、
怪しいものにすがらなくても立っていられる人間なんだろうな。
俺はまだ、その途中だ。
この牙が化け物の証なのか、
家族を守る覚悟なのか。
それを決めるのは、これからの俺だ。